精神障害でお悩み相談をする際に、知っておきたい施設と役割

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精神障害
2021/9/24
2021/9/13

初めて病院にかかる前や、家族について相談をしたいと考えた際に、どこに相談したらよいのかわからなかったという経験をされた方がいるのではないでしょうか。本記事では、メンタルヘルス関連の相談の役割を担っている施設とその探し方を紹介いたします。

 

 

精神保健福祉センター

精神障害でお悩み相談をする際に、知っておきたい施設と役割

東京都立中部総合精神保健福祉センター

公的な相談窓口として、精神保健福祉センターが挙げられます。
厚生労働省では、“精神保健福祉センターは、精神保健福祉法第6条に規定された都道府県(指定都市)の精神保健福祉に関する技術的中核機関”としています。
中核的機関ということもあり、様々な役割を担っていますが、その中に相談業務があります。こころの悩み、精神疾患や障害に関する様々な相談を無料で受けることができます。本人だけでなく、家族および関係者からの相談も受けています。各センターの規模によって異なりますが、医師や精神保健福祉士、臨床心理士などの専門家が在籍しております。

【職員構成】

精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づき、職員の構成も以下のように定められています。

  • 医師(精神科の診療に十分な経験を有するものであること)
  • 精神保健福祉士
  • 臨床心理技術者
  • 保健師
  • 看護師
  • 作業療法士
  • その他センターの業務を行うために必要な職員

【相談までの流れ】

例:東京都在住の方の場合
①厚生労働省のホームページ「全国の精神保健福祉センター」にアクセスする
東京都の精神保健福祉センターは、東京都立精神保健福祉センター、東京都立中部総合精神保健福祉センター、東京都立多摩総合精神保健福祉センターの3か所があります。
全国の精神保健福祉センター|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

②担当地域の確認を行う
東京都立精神保健福祉センターは、東京都東部13区(千代田区、中央区、文京区、台東区、墨田区、江東区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区)と島しょ地域を担当しています。東京都立中部総合精神保健センターは港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区の10区担当。東京都立多摩総合精神保健福祉センターは多摩地区全域担当というように、それぞれのセンターは担当地域が決まっています。一覧表からそれぞれのセンターのホームページにアクセスし、担当地域の確認を行いましょう

③一覧表に載っている連絡先に電話をしてみましょう
担当地域の確認が終わったら実際に電話をかけてみましょう。担当地域がわからなくとも問い合わせて確認することもよいかと思います。

 

 

保健所

精神障害でお悩み相談をする際に、知っておきたい施設と役割

公的な窓口として保健所もあります。厚生労働省では、“保健所は、地域保健法第3章に規定された地域保健対策の広域的・専門的・技術的推進のための拠点”としています。都道府県、政令指定都市、中核都市に設置されています。

【職員構成】

保健所は市民生活に密接にかかわりがある行政窓口となるため、役割内容とともに専門家の種類も幅広くなっています。その中で精神保健にかかわる職員をご紹介します。

  • 医師(精神科嘱託医を含む。)
  • 精神保健福祉士
  • 保健師
  • 看護師
  • 臨床心理技術者
  • 作業療法士
  • 医療社会事業員
  • 事務職等

また、精神保健福祉法第48条の規定に基づき、資格を有する職員は精神保健福祉相談員として積極的に相談業務を行っています。
(保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領より)

【相談までの流れ】

例:北海道在住の方の場合
①厚生労働省のホームページ「保健所管轄区域案内」にアクセスする
サイトにアクセスすると、都道府県、市町村別にサイトが分かれているので、お住いの地域にアクセスしましょう。
保健所管轄区域案内 (mhlw.go.jp)

②一覧に載っている連絡先に電話をかけてみましょう
精神保健福祉センターの方でも説明しましたが、担当地域がわからない際には問い合わ
せることが大事だと思います。まずは電話をかけてみましょう。

メンタルヘルスに関連した相談が行える公的な施設として、精神保健福祉センターと保健所を挙げました。どちらも相談を無料で受けることができます。2つの施設の違いは、それぞれ基づいている法律が違うということです。必要に応じて精神保健福祉センターと保健所が連携を図り、より地域社会に密接したケアを行っています。
また、精神保健福祉センターは名前の通りメンタルヘルスに特化しています。一方、保健所では、より広域的なサービスを行っています。例えば、メンタルヘルスが主訴の場合は精神保健福祉センター、身体的な疾患に付随したメンタルヘルスの相談であれば保健所に相談を行うと、よりスムーズに相談が行えるかもしれません。ただし、どちらに相談を行っても、専門の医療機関や相談機関の情報の提供はされます。まずは、電話をされてみるのがよいかもしれません。

続いて民間の相談窓口をみていきましょう。ここでは2つ紹介したいと思います。
民間の医療機関とカウンセリングルームです。

 

 

医療機関

精神障害でお悩み相談をする際に、知っておきたい施設と役割

医療機関では、受診をする前に『受療相談』という形で、相談をすることができる場合があります。本人はもちろん、家族や会社の上司が相談できます。おおよその機関が有料とはなりますが、精神保健福祉士や看護師が担当するケースが多いと思いますので、専門的なアドバイスがもらえることが多いです。近くの医療機関に相談してみてください。

カウンセリングルーム

精神障害でお悩み相談をする際に、知っておきたい施設と役割

こちらの場合は、通常のカウンセリングの中で相談することになると思います。そもそも民間のカウンセリングルームは医師の指示が必要ではありませんので、“診察を受けるのか受けないのか”をカウンセリングすることができます。

 

 

まとめ

今回は、受診前の相談窓口として、公的な機関と民間の機関を紹介しました。機関の違いで相談料がかかることもありますので確認しましょう。また、新型コロナウィルスの影響もあり、オンラインでの取り組みも増えているようです。対面、電話、オンラインなど相談のスタイル、機関によって得意な相談分野もありますが、相談のしやすさや相性は実際に話してみないとわからないと思いますので、まずは連絡を取ってみることをお勧めします。