精神障害を抱える方が利用できる経済支援サービスとは?

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2021/2/17
2021/2/22

精神障害を抱える方が利用できる経済支援サービスとは?

はじめに

精神障害をお持ちの方は、ご自身で思うように働いたり、生活をすることができないこともあります。そのため生活に困窮する可能性があり、公的な支援サービスを利用することで生活を維持するのも重要です。
精神障害を抱えている方向けにはさまざまな経済支援サービスが制度化されており、これらをしっかりと理解して適切に利用することで、少なくとも経済的な不安を取り除くことにお役立てください。

 

 

医療費をサポートする制度

精神障害を抱える方が利用できる経済支援サービスとは?

医療費をサポートする制度には、以下のようなものがあります。

 

自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)

精神疾患の治療のために医療機関を利用した場合、自己負担が通常の3割から1割になります。申請をした医療機関と薬局が対象で、申請によって登録した医療機関を利用した場合の医療費が1割負担になります。精神疾患の治療には継続的な医療機関の利用が不可欠なので、この制度は治療の継続を支援する意味でとても重要です。制度を知らないばかりに利用していないとすると非常にもったいないので、最も利用を検討していただきたい制度です。

 

高額療養費制度

医療費が高額になった場合に、所得額に応じて自己負担額以上の分が公的負担になる制度です。窓口では一時的に支払うことになりますが、上限額を上回った分は後日還付されます。

 

都道府県の心身障害者医療費助成制度

自治体によって制度の内容が異なりますが、都道府県や市町村が医療費の助成を行っていることがあります。精神障害をお持ちの方はまず、お住まいの地域の福祉窓口に一度相談してみてください。

 

 

生活費をサポートする制度

精神障害を抱える方が利用できる経済支援サービスとは?

精神障害によって生活に困窮している人を対象に、生活費をサポートする制度があります。

 

生活保護

精神障害に限らず、病気や高齢であることなどを理由に仕事ができず生活費に困窮している人を対象に最低限の生活を保障する制度です。精神疾患が理由で働けない人も対象になります。

 

特別障害者手当

重度の障害を持っている人を対象に支給される障害者手当です。精神疾患による障害も対象になり、月額2万6,000円の支給を受けることができます。支給対象となるには医師の証明が必要で、なおかつ在宅生活者に限られます。

 

障害年金

傷病によって障害が継続する人に対して、生活を保障するために支給される年金です。いわゆる年金は高齢になってから支給される老齢年金のことで、この障害年金は同じ年金制度の中にあるものです。国民年金の場合は1級または2級の人に対して年金が支給されます。

 

特別障害給付金制度

国民年金制度がまだ未整備だった時期に任意加入していなかった人を対象に支給される特別年金です。国民年金が任意加入だった当時に加入していなかったものの、精神疾患などで年金支給の対象になる人などが該当します。

 

特別児童扶養手当

精神障害を持っている子供を対象にした特別の児童手当です。一般的な児童手当に上乗せする形で支給されます。対象となるのは20歳未満で障害者1級と2級に該当する子供です。その児童の親や養育者に対して支給されます。

 

障害児福祉手当

上記の特別児童扶養手当とどうお湯に20歳未満の障害を持った子供を対象にした制度です。日常生活において介護が必要な子供を対象に、介護費用を扶助することを目的としています。月額1万4,140円と少額ですが、対象となる人は手当の給付を検討するべきでしょう。

 

 

税金をサポート制度

税金の負担を軽くすることで精神疾患に悩む人を経済的に支援する制度もあります。

 

障害者控除と特別障害者控除

所得に応じて課税されるのが所得税と住民税です。これらについて、障害者手帳を持っている人や知的障害を持っている人については一定の控除が受けられます。控除を受けることによって課税対象額が減額され、所得税と住民税が減税されます。
障害者手帳3級から6級までの人、知的障害を持っている人は「障害者控除」の対象となり、さらに重度の知的障害を持っている人や身体障害者手帳の1級と2級を持っている人については、それよりもさらに控除額が上乗せされる「特別障害者控除」の対象となります。

 

自動車税、軽自動車税及び自動車取得税の控除

精神障害を含む障害のある人は、マイカーによる移動をすることが多くなります。そういった人を介護している場合であってもマイカーを使用することが多いことを考慮して、心身に障害がある人、またはその人のためにマイカーを使用している人には自動車税、軽自動車税、自動車取得税の軽減が受けられる制度があります。

 

 

精神障害者保健福祉手帳で受けられるサポート

精神障害を持っている人は精神障害者保健福祉手帳を申請することができます。精神障害があると診断された人は、初心から6ヶ月以上経った日から申請が可能になり、申請にクリアすると手帳が交付されます。
この精神障害者保健福祉手帳があると、税金の減免や公的施設の利用料が減免されたり、各種基本料金や光熱費などで割引の適用を受けることができます。公共交通機関などで障害者割引を目にしたことがある方は多いと思いますが、それと同様のサポートです。
障害者手帳を受け取るときには、どんなサービスが受けられるのかという案内をもらうことができます。多くの方が想像しているよりも受けられるサービスは多いので、しっかりと利用できるものは利用していただきたいと思います。

 

 

まとめ

精神障害をお持ちの方が利用できるさまざまな経済的支援サービスをご紹介しました。ここで重要なのは、こうした制度は「向こうから告知」してくれるものではなく、自分で調べて対象になっているかどうかを判断し、申請する必要があることです。待っていても誰も支援はしてくれないところに微妙な印象もありますが、ここでご紹介した制度はいずれも精神障害をお持ちの方も利用できるものなので、ぜひ一度利用を検討してみてください。
経済的支援を受けることにより、少なくともお金の不安を軽減して心の健康につなげていくことが重要です。