精神障害から復職する際の判断はどうやってするのか?

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2021/9/23
2021/9/13

精神障害から復職する際の判断はどうやってするのか?

心の病などにより仕事を休職した場合、復帰に向けての流れはどのようになるのかを、ここでは解説していきます。 短い期間でも長い期間の休職であっても、実際に仕事に復帰するということには緊張や不安を伴うと思います。 一番大切なことは、過度に焦らずに、ゆっくたりとした気持ちも持ちながら、復帰をするために必要な準備を進めていくことです。金銭的なことや職場のことを想像すると、不安もあれば、早く仕事に戻りたいという気持ちもあるかもしれません。 実は、その気持ちは待っている職場も同じです。 実際に復帰した時に適切なサポートができるかどうか、どんな状態で戻ってくるのか、職場もあなたのことをきちんと理解した上で適切に進めていくことが重要です。それでは、実際の復帰について説明していきましょう。

 

 

主治医との相談

精神障害から復職する際の判断はどうやってするのか?

仕事を休職する際には、受診している医療機関の主治医からの「診断書」を会社に提出しています。その診断書には、「治療のため、回復までに●か月を必要とすると思われる」など、いつまで休む必要があるかの記載があり、治療や復帰に向けてはこれを元に進められます。

休職した際の治療の流れは、一般的に薬物治療と並行して十分な休息をとり、その後カウンセリングやリワーク支援などのリハビリを受けて、復職に向けて準備していきます。治療している最中に、「もう良くなってきたのでは?」と感じることもあるかもしれませんが、ただ症状が無くなるだけでは不十分で、気持ちの整理や、また働き始めた時に何に対してストレスを感じるかなどの自己理解や対処法の習得がとても大切にですので、実際に復職できるかどうかは主治医に相談しながら進めましょう。

主治医が復職についてまだ難しいという判断をすることがあれば、その理由や意見などを質問し、ご自身も理解しながらその後のことを進めていくことをおすすめします。そこで復職に許可が出たら、復職に向けた注意点や、アドバイスなどを併せて聞いておくと参考になります。また、復職後の継続して受診することがほとんどかと思いますので、言われたこと、今度聞きたいことなど同じメモ帳に記載して毎回持っていくようにすると、流れも分かり役立ちます。

 

 

復職面談の実施

精神障害から復職する際の判断はどうやってするのか?

復職に主治医からの許可が出たら、会社に報告します。連絡先は上司か、会社の人事や相談室のスタッフなど休職する際に決まっているルートがあればそれにしたがって連絡をします。復職する際には、復職前面談を実施することが多いでしょう。面談には、上司や会社の相談室のスタッフ、利用している就労支援機関などがあれば支援スタッフなどが同席して開催されることが多いです。「面談なんて、部署異動などがなければ復帰してからミーティングをして話せばいいのに・・」と思うこともあるかもしれませんが、実際に復職する前に面談をするのには意味があります。

会社や上司は、必ずしも精神障害に関して十分な知識を持っているわけではありませんし、復帰に関してはまた過度な負担がかかって再度休職してしまうということができるだけないようし、受け入れる環境の調整などをしてもらえる可能性があります。

復職前面談で話す内容としては、休職期間をどのように過ごしたか、今の体調はどうか確認があるでしょう。また、復職に向けて人員配置や業務内容、業務量、どの程度の時間から仕事復帰するかなどを主治医からのアドバイスや出席している人の色々な意見も参考にしながら実際にどうするかを決めていきます。もちろん、そこでは休職した本人の意思も大切ですので、思っていること、考えていること、不安に思っていることがあれば積極的に話してください。いざその場になると気おくれしたり不安を感じたりするかもしれませんが、すり合わせができる大切な場ですので、事前にメモを書いて準備したり、就労支援スタッフに頼ったりしながら上司に伝えられるとよいでしょう。

 

 

復職後のリハビリ出勤や業務の取り決め

復職をする際、いきなり復帰するのではなく、リハビリ出勤を行うことがあります。リハビリ出勤は厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」にも挙げられているもので、精神疾患や身体疾患などで、欠勤や休職をしてしまった従業員が復職への準備としてお試し出勤をすることです。会社独自に設けられている制度で、公的なものではありませんが、復帰の練習として利用することができ、再発のリスクを下げることが期待されています。

リハビリ出勤は、ますは家から会社に行ってみるという通勤の練習や、午前中だけ、一時間ほど早く終わるというものまでさまざまです。賃金が発生するかどうかは、休職中に行うのか復帰後に行うのかなど、会社や状況によって異なりますので、リハビリ出勤することになった際には、最初にどんな取り決めで進めていくのかよく確認しましょう。

リハビリ出勤をしない場合も、例えば復帰をきっかけに障害者雇用枠に変更する、時短勤務制度を利用する、有給休暇などを利用して働く時間を最初だけ短くするなどが考えられます。フルタイムで復帰する場合でも、残業はせず、業務も慣れた無理のない範囲の作業から徐々にに広げていくことが望ましいです。

このような働く時間や業務内容、またそれを3か月、半年、1年といった少し長いスパンではどのようなことを目標にしながら進めていくのかを会社と共通認識を持っておくことが大切です。体調や実際やってみての働き方がどうかなどは、見ているだけでは分かりませんので、定期的に上司や会社の相談室のスタッフと面談するなどして情報共有しておくのがよいでしょう。

 

 

まとめ

仕事復帰をする際には、それなりに負荷がかかるものと思います。最初は緊張していたけれどもだんだん慣れてくるとついつい無理をしてしまうということもあるかもしれません。復帰を決める際にも、実際に復帰した後でも、自分の状態をフラットに客観的な視点を持って冷静に観察できるというのは大切なスキルとなります。焦りや不安はあってはいけない感情ではありませんが、そんな気持ちが出てきたときには「あぁ、自分は今ちょっと焦っているかもしれない」と気づけることが大切です。自分では判断が難しい、視野が狭くなってきていると感じたら主治医や上司などに相談して意見を求めてみてください。

精神障害は目には見えないため、できるだけ整えられる環境を準備する、自分で作っていくことが大切です。休職期間も自分にとって大切な次を作る時間と考えて、有効に活用してみてくださいね。それが、自分らしい働き方ができる復帰後へとつながっていきます。