うつ病になると転職は不利?転職活動をするうえで大事なこと。

復職をお考えの方
うつ病
転職
2021/8/23
2021/8/16

現在、うつ病で社会で働いている人はとても多くなってきています。

うつ病の方が働き続ける上で大切なのは、自分に合った職場環境で、無理の少ない働き方ができることです。

働きたいと思っていても、現在の職場や働き方に不安があり、転職をした方がいい場合もあります。その時に、押さえておくべきポイントを見ていきましょう。

 

 

うつ病だと転職は難しいのか?

うつ病だから必ずしも転職が難しい、という状況ではありません。
うつ病を含む精神疾患や精神障害がある方の就職率は年々増えてきており、精神保健福祉手帳を持つ方だけを見ても、民間企業で88,016人の方が雇用されており、統計上最も多くの方が働いています(令和2年 障害者雇用状況の集計結果)。

法定雇用率が年々上がり、障害者雇用に積極的な企業も増加しています。一概にうつ病だから懸念となる、という状況ではなくなってきました。

また、障害者雇用に限らず働き方やキャリアパスは多様化していて、転職をしながら自分のキャリアを作っていく人材が増え、中途採用に積極的な企業も多くなってきています。
しかし、うつ病と付き合いながら、自分にとってよりよい職場に転職するためにはそれなりの準備が必要です。今の状況を変えたくて動いても、うまくいかないと病状が悪化しかねません。

 

 

うつ病になった場合の転職活動する際の準備

まずは、一言でうつ病といっても、症状や発症してからの経過は人により大きく異なります。今、転職を考えていらっしゃる理由は何でしょうか?また、ご自身の状態を把握していらっしゃいますか。

色々と自分でも分からないことがあるな、と感じる方は、そこがスタートラインになりますので、主治医や相談できる身近な人を頼りながら準備を進めてみてください。

しっかり治療を踏まえてから

もしあなたが今、うつ病の症状に苦しさを強く感じていたり、休養が必要な状態であれば、治療を優先してください。現在仕事をされていて、仕事の量や難易度に無理があったり、職場環境や残業などでストレスが強い場合には、主治医の指示を守りながら、必要な服薬やリハビリを続けて体力をつけることが大切です。

転職活動は、心身共に労力を使うものです。必要な治療や休養をとりながら、十分に今後のことを考えた上で行動していきましょう。

まだ不安が残るのに無理して頑張ってしまうと、途中で辛くなり、続かなくなってしまいます。就職率が上がっているうつ病を含む精神障害者ですが、半年での離職率が他の障害に比べると高いという現実があります。

これは、自己理解や会社とのマッチングの上手くいかなさが原因のひとつで、早期離職をしないですむために自分ができる努力のひとつが、よりよく自分を知ることです。

必要であれば、医療機関のリワークや、就労移行支援事業所などを頼って段階的に働く準備をしていくという方法もあります。

自分の状態をよく分かっていること

転職活動をしていくためには、企業に提出する書類や採用面接で、どのような合理的配慮が必要か、ご自身で説明していく必要があります。

もしも、現在の職場に働きにくさを感じて転職する場合は、どんな配慮や環境があれば自分の力が発揮できるのか考えてみるとヒントが見つかるでしょう。

もしかすると、今の職場でも工夫次第では転職せずに続けられる方法もあるかもしれません。また、自分自身の努力で工夫が必要な点がある場合もあります。

自分が仕事をしやすい仕事や職場環境、働き方についても整理が必要です。

これまで働きやすいと感じた環境や、一緒に働いた人はどんな人だったでしょうか?土日休みとシフト制ではどちらが体調を整えやすいでしょうか。

特に、得意な業務、強みになるスキルなどがあれば、それも整理しておくとアピールに繋げることができます。

焦らないこと

就職活動を進める上で上手くいかないこともあります。書類選考を通らない、採用面接で上手く話せなかったなど、悩むこともあるでしょう。

ただ、実は企業の採用は、実力半分、運半分です。企業からみると、すごく素敵な人なんだけど今回募集しているポジションにはマッチしない、などの理由から泣く泣くお見送りになることも多いです。

病気があると、落ちたのはきっとそのせいだ…と過度に悲観的に捉えたり、焦って行動してしまう人も多いのですが、必ずしもそれが理由ではないので、自分でそこにフォーカスしすぎず、自分ができることをひとつひとつ積み重ねてください。

就職活動は、自分を知っていく実験だと思って、学べるものを持ち帰ったり、採用担当者にもどのような人材を求めているのかを質問してみるのもひとつです。その方が辛くなりすぎず行動できますし、学んだことを次のアピールに活かしていくこともできます。

 

 

障害者向け転職エージェントの利用も視野に

一人で就職活動の試行錯誤をするのは大変だと感じる方には、転職エージェントの利用もよいでしょう。

関連記事:うつ病でも大丈夫!転職する際に利用したい転職エージェントは?

転職エージェントとは、キャリアアドバイザーに転職の相談に乗ってもらいながら、合いそうな企業の紹介を受けて転職活動を進めることができるサービスです。人材紹介会社とも呼ばれ、最近では障害者雇用専門の人材紹介会社も多くあります。

面接の日程調整や面接後の結果も転職エージェントを介して伝えてもらえるので、次の面接に向けてキャリアアドバイザーからアドバイスをもらえることもあります。

採用が決まったら、企業は転職エージェントに手数料を支払う仕組みになっており、求職者は無料で利用することができます。

企業にとっては転職エージェントを利用することでより自社に合う、良い人材を採用したいという気持ちがありますので、キャリアアドバイザーとよく相談しながら上手に自分をアピールしてみてください。

 

 

まとめ

うつ病で転職活動をしていく上で大切にしておきたいポイントを書いてきました。

このように、うつ病だからといって転職はすごく難しい、という状況ではありませんが、それは病気の状態や、ご自身の病気そのものや付き合い方への理解が欠かせません。

自分が今、どの位置にいるのか?主治医など頼りやすい他者から意見も参考にしながら、自分のペースで焦らず進めてみてくださいね。