適応障害から仕事に復帰するには?再発防止策・注意点など

復職をお考えの方
職場復帰
適応障害
2021/2/16
2021/2/22

適応障害から仕事に復帰するには?再発防止策・注意点など

はじめに

適応障害で仕事を休職したり、仕事を辞める人も多いことでしょう。また、そのような状況に陥った場合は、通院や一定の回復期間を経て、仕事復帰や転職を考えるのが一般的です。しかし、この時、再び適応障害を引き起こさないためにも、再発防止策は欠かせません。この記事では、適応障害との付き合い方を覚えたうえで、仕事復帰のための再発予防策や注意点などについて、解説します。

 

適応障害になってしまう原因と症状

適応障害の再発防止を考える前に、なぜ適応障害になってしまったのか、その原因と症状を探ってみましょう。中には、適応障害と気づかずに、ストレスや疲れだと思い込んでしまう場合もあります。この状態が続くと、徐々に症状が悪化してしまうため、注意することが大切です。

・適応障害になってしまう原因

適応障害の原因は、ストレスだと言われています。職場の場合は、上司からのパワハラや過酷なノルマ、いじめなどの人間関係、過労などによって、適応障害が引き起こされる傾向にあります。

その他にも、家族からのDVやモラハラ、義両親との同居、ママ友関係など、逃れられないコミュニティ間で原因が生まれやすいという点が特徴です。

・適応障害の症状

適応障害の症状は、人によって異なりますが、主な症状としては以下のようなものがあります。

1.いつも気分が落ち込む
2.食欲がなくなる
3.不眠や頭痛などが生じる
4.無気力、不安感や焦燥などが現れる

これらは、うつ病の症状と似ていますが、適応障害は置かれている環境でのストレスが原因で起こるものです。一方、うつ病は、ストレスの要因を取り除いても回復しない場合があります。自分の症状がどちらなのか分からない場合は、安易に自己判断せず、医師の診断を仰ぎましょう。

 

適応障害はこんな人がなりやすい!

適応障害から仕事に復帰するには?再発防止策・注意点など

適応障害なりやすい人には、特徴があるとされています。原因となるストレスを抱えやすいのはどんな人なのか、以下でチェックしてみましょう。

努力家タイプ

コツコツ頑張る努力家タイプは、適応障害を起こしやすい人です。会社に言われるまま、自分のキャパシティを超えた仕事を請け負ってしまったり、売上や実績のために無理な残業をしてしまったりして、じわじわとストレスをため込んでしまいます。

完璧主義

完璧主義な人は、ささいなミスを許すことができなかったり、自分が満足する自分になれなかったりしたときに、ストレスを抱え込みがちです。また、周囲からの指摘に弱いという面もあり、適応障害で悩まされるケースが多いでしょう。

コミュニケーションが苦手

多くの職場では、社内外とのコミュニケーションが求められます。ところが、人見知りタイプや、相手の顔色を伺い過ぎるタイプの場合、上手に輪に入っていくことができず、会話ややりとり自体がストレスになってしまいます。

自分の意見が言えない

優しい性格で、つい相手の意見に合わせてしまうようなタイプは、知らず知らずのうちにストレスを抱えています。周囲の人も、「あの人は文句を言わないから」と、たくさんの仕事を押し付けられてしまう場合もあるでしょう。嫌なことばかりなのに我慢して周囲に付き合っているという場合は、注意が必要です。

 

仕事に復帰する際の注意点・再発防止策

適応障害は、ストレスの問題となっている場所から離れ、精神科や心療内科などで適切な薬を処方してもらったり、プログラムを受けたりすることで改善が可能です。しかし、適応障害になりやすいタイプの人の場合は、復職や転職した後も、再びストレスを抱え、再発してしまうケースが少なくありません。次に、再発を防ぐため再発防止策や注意点をご紹介しますので、事前に覚えておきましょう。

適応障害の再発防止策

適応障害の再発を防ぐためには、問題となっていたストレスと向き合うことが重要です。頑張り過ぎてしまう、完璧な自分しか許せないという性格に気付いているなら、もう少しゆっくりと生きられるように、カウンセリングなどを活用しながら、穏やかな考え方を身につけることがポイントになります。

また、人見知りだったり、自分の意見が言えないタイプだったりという場合は、自分に自信を持つことからはじめましょう。自分から人に話しかける、自分の思いを口にするという行動は、場数を踏むことで変えられることが多いと言われています。

余裕があれば、仕事を休んでいる間に、趣味のサークルに参加したり、習い事をしてみるなど、気負わず話せる環境に身を置いて、少しずつ会話や意見交換に慣れていくのもおすすめです。

復職する際の注意点

復職を決めたらまず、心身の健康を取り戻しましょう。不眠や頭痛が続いている、ささいなことで落ち込む、仕事のことを考えると不安というような状態では、再発しやすくなります。症状がある場合は、もう少し身体を休めてから、復職することが大切です。

症状が落ち着いてきても、いきなり元の働き方に戻すのは危険です。そのため、「時間の短いパートや派遣の仕事からはじめてみる」「会社と相談して、徐々に勤務時間や仕事の量を増やしていく」といった配慮をしながら、仕事という環境に慣らしていきましょう。

復職後は、自分を第一に気付かうことも重要です。“自分は人よりもストレスを抱えやすい”ということを念頭に置いて、適応障害特有の落ち込みただるさ、無気力、眠れないといった兆候が少しでもあれば、一度立ち止まりましょう。

有給を利用する、意識してストレスを発散するなどの方法で、心を休めながら、無理せずやってきたいですね。

 

適応障害に向き・不向きな仕事は?

適応障害から仕事に復帰するには?再発防止策・注意点など

適応障害を再発させたくないなら、ストレスを抱えにくい職場を選ぶことも大切です。最後に、適応障害の人に向いている仕事、向いていない仕事を、たしかめておきましょう。

適応障害の人に向いている仕事

適応障害の人に向いているのは、人間関係のストレスがない仕事や、ノルマがない仕事です。工場や倉庫での作業、マニュアルに沿った仕事など言われたことをしっかりこなすタイプの職種は、働きやすいでしょう。残業がない仕事も、向いています。

最近はテレワークが浸透して、適応障害の人にはあふさわしい自宅でできる仕事が増えてきました。パソコン作業やクリエイティブな仕事は、特に多くの需要があります。これまでの経験を生かして、思い切って起業するのも、良い手段かもしれません。

適応障害の人に向いていない仕事

適応障害の人に向いていないのは、ノルマのある営業や顧客対応を求められる接客業などです。「取引先との接待に付き合う必要がある」「飲み会や懇親会などの、社内イベントが多い」というような会社も、控える方が良いでしょう。

これから転職を考えるなら、ノルマはないか、有給はきちんと取れるのか、残業はどれくらいか、社内行事は多くないかという部分をしっかりと確かめて、無理なく働ける職場を目指しましょう。

もし、働き始めた後に、「思っていた職場と違った」という場合は、再発を防ぐために、思い切って仕事を離れる強い気持ちも必要です。

 

【参考】

適応障害とは 早稲田メンタルクリニック
仕事の休み方・職場復帰のしかた 初台クリニック