ADHD(注意欠如・多動性障害)をセルフチェックする方法とは?

自分の症状を知る
ADHD
セルフチェック
2021/5/14
2021/5/14

ADHD(多動性障害)をセルフチェックする方法とは?

今この記事を見てくださっている方は、自分はADHDではなのではないかと感じていたり、身近な他者からADHDではないかと言われたりして、調べていらっしゃるところでしょうか。
ここでは、ADHDとはそもそも何なのか、どんな障害なのか、そのセルフチェックの方法を解説していきます。

ADHDとは、注意欠如・多動症と呼ばれるもので、脳機能の発達が関係するは「発達障害」の1つです。脳機能の発達や成熟に偏りが生じた結果と考えられていますが、その原因はまだはっきりとはわかっていません。

発達障害には、ADHDの他にアスペルガー症候群、学習障害なども含まれる非常に幅広い概念で、重複して生じることもあります。また、症状・障害に関しても、同じ発達障害という名称で呼ばれていてもグラデーションのようにひとりひとり全く異なり、専門医による発達検査や、これまでの生活歴、生活の中で生じている困りごとなどから総合的に診断されます。

その中でも、ADHDは比較的、こどものころから気づかれる場合もありますが、こどもは元気なもの、多少やんちゃでもこどもだから、ということであまり気にされなかったり、家庭や学校生活の中では決まったルーティーンでの活動が多く、日常で大きな困りごとまでは表面化せずに過ごしている場合も多いです。

結果として大人になってから社会に出て、仕事で複雑なスケジュール管理や、仕事の進め方、人間関係の上手くいかなさなどで困りごとが表出し、そこで初めて「何かおかしい」「発達障害ではないか」と気づくことが多くなっています。これまではあまり気にしていなかったけど、思い返せば小さいころから落ち着きがなかったな、というエピソードを思い出すという人もいて、大人になってからこのような形で自身の障害に気づかれる方も少なくありません。

はっきりとした診断のためには専門医を受診し、検査を受ける必要がありますが、ここでは簡単なアンケートに答えることで自分でチェックできる方法をご紹介していきましょう。

 

 

ADHA(多動性障害)のセルフチェックシート

ADHD(多動性障害)をセルフチェックする方法とは?

これからご紹介するのは、WHO(世界保健機構)と成人期ADHD作業グループの協力によって、アメリカのADHD診断基準に基づいて作られたアンケート形式のチェックリストです。過去6か月の期間にどの程度の頻度で経験したかを、「全くない」「めったにない」「時々」「頻繁」「非常に頻繁」の5段階評価で答えてみてください。

 

パートA

1. 物事を行なうにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。

2. 計画性を要する作業を行なう際に、作業を順序だてるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。

3. 約束や、しなければならない用事を忘れたことが、どのくらいの頻度で ありますか。

4. じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることが、どのくらいの頻度でありますか。

5. 長時間座っていなければならない時に、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりすることが、どのくらいの頻度でありますか。

6. まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなることが、どのくらいの頻度でありますか

 

パートB

7. つまらない、あるいは難しい仕事をする際に、不注意な間違いをすることが、どのくらいの頻度でありますか。

8. つまらない、あるいは単調な作業をする際に、注意を集中し続けることが、困難なことが、どのくらいの頻度でありますか。

9. 直接話しかけられているにもかかわらず、話に注意を払うことが困難なことはどのくらいの頻度でありますか。

10. 家や職場に物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって探すのに苦労したことが、どのくらいの頻度でありますか。

11. 外からの刺激や雑音で気が散ってしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。

12. 会議などの着席していなければいけない状況で、席を離れてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。

13. 落ち着かない、あるいはソワソワした感じが、どのくらいの頻度でありますか。

14. 時間に余裕があっても、一息ついたり、ゆったりとくつろぐことが困難なことが、どのくらいの頻度でありますか。

15. 社交的な場面でしゃべりすぎてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。

16. 会話を交わしている相手が話し終える前に会話をさえぎってしまったことが、どのくらいの頻度でありますか。

17. 順番待ちしなければいけない場合に、順番を待つことが困難なことが、どのくらいの頻度でありますか。

18. 忙しくしている人の邪魔をしてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。

このアンケートにどれくらい当てはまるかをチェックすることで、ある程度判断できます。パート A のグレーで色づけした四角に4つ以上チェックが付いていたらADHD に該当する症状をもっている可能性が考えられます。パートBは医師にとって役立つ情報になるもので、診断用のチェックリストではありませんが、医師に相談する際に症状を的確に伝えるために役立ちますので、医療機関を受診する際にはこの結果を伝えられるとよいでしょう。

 

>チェックシートのダウンロードはこちら<

 

 

まとめ

いかがでしたか。チェックシートである程度判断できますが、不安もお持ちでしょうか。確実な診断のためには、医療機関に受診し、質問紙や脳波の検査、知能検査など専門的な検査を行う必要があります。

また、医療機関では、診断だけではなく、今感じている困りごとの相談をすることができたり、治療や利用できる社会資源の情報も得られたりすることがあります。チェックシートの結果を自分で抱えずに、発達障害の診断を行っている医療機関・精神科に相談してみてください。