ASDとHSPの違いとは?併発するケースも…

自分の症状を知る
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2021/4/10
2021/4/27

あなたは、近年よく耳にするようになった「HSP」のことをご存知ですか?「HSP」とは、「繊細すぎる人」のことであり、日本人に多くみられる気質のひとつです。発達障害などと混同しやすいですが、病気ではありません。ここでは、「HSP」とはどのような人のことを指すのか、その特徴をお伝えしていきます。よく似ている「ASD」(自閉症スペクトラム障害)とも比較しながら、どのような違いがあるのか見ていきましょう。

 

ASDとHSPは何が違う?

1.「ASD」について

ASDとHSPの違いとは?併発するケースも…

「ASD」とは、発達障害の一つで、「自閉症スペクトラム障害」のことです。場の空気を読むことや人とのコミュニケーションが苦手なこと、また多くのこだわりが見られることなどが特徴です。通常は幼少期に診断されますが、近年は大人になってから、精神科を受診して発覚するというケースも増えています。

2.「HSP」について

ASDとHSPの違いとは?併発するケースも…

「HSP」は、「Highly Sensitive Person」の略語で、90年代初めに心理学者のアーロン博士によって、定義された概念です。文字通り、「非常に繊細な人」のことを意味します。彼らは、人の感情に敏感で、疲れやすく、生きづらさを感じている場合が多く、約5人に1人がこのような特性を持っているとされます。具体的には、以下の①から④の4つを同時に満たしている人が、HSPだと言われています。

①処理の深さ
物事を深く考えていく傾向にあることが多いです。考えなくてもいいことまで考えすぎてしまうため、ストレスにつながってしまいます。

②刺激の受けやすさ
周囲の人の仕草などにいちいち反応してしまい、ストレスを感じやすく疲れやすい面があります。

③高い共感性
人の気持ちに深く共感できます。ただ、相手の感情に振り回されて消耗してしまうことがあり、それがストレスにつながりやすいです。

④感覚の鋭さ
音やにおいなど、ありとあらゆる外部刺激にとても敏感で、日常生活の中でも疲弊してしまいやすい特徴があります。

もちろん、HSPにはマイナスな面ばかりではなく、感受性が豊かだったり、人に優しくできるなどのメリットがたくさんあります。しかし、人の気持ちが自分の気持ちのようにわかってしまうことでストレスを感じ、うつ病などの精神障害を発症してしまう方も少なくありません。

3.「HSP」の原因

「HSP」は、脳のストレスを処理する扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる部分の働きが、生まれつき強いことが原因だと言われています。それにより、人より疲れやすいのです。さらに、「HSP」気質のある人は、ストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」が分泌されやすい傾向もあるため、様々なことに敏感に反応してしまうようです。

 

HSPが発達障害と誤診されるケースも・・・

ASDとHSPの違いとは?併発するケースも…

「HSP」は、発達障害ととても似ている部分があります。場合によっては、他の障害と誤診されてしまい、何年かたってからそのことに気づくというケースも多いようです。特に、「ASD」と「HSP」の2つは、特徴が似ています。

「ASD」の感覚過敏なところ、「HSP」の刺激に対する感受性の強さはとても似ています。また、「ASD」のこだわりの強さと「HSP」の処理の深さも、それぞれ共通していると言えます。そのために、自分の特徴が「ASD」などの発達障害の影響なのか、それとも「HSP」という気質が影響しているのかを見極めることが必要です。「ASD」や「HSP」のチェックリストなどで「当てはまる」と思ったら、精神科や心療内科に行く前に、まずは自分でそれぞれの特徴をしっかりと調べてみましょう。

 

 

ASDとHSPは併発する場合もある

実は、発達障害を持っている人の多くが、精神障害などの他の障害も抱えています。なぜなら、発達障害の特性により、コミュニケーションなどがうまく取れないことや生きづらさを感じることによって、2次障害として精神障害を併発しやすいためです。また、医師は、病気の診断基準に基づき、症状が一定の基準を満たせば、何らかの診断を下します。そのため、異なる2つの診断基準を根拠にしたいくつかの病名がつくことも、あり得るのです。

ちなみに、近年「HSP」という言葉が急激に広まったことにより、精神科や心療内科において、「私はHSPですか?」という問い合わせも多く寄せられているようです。しかし、「HSP」には精神医学的な基準はありません。そのため、精神医学に基づいて治療を進めていく精神科の医師から「HSPです」と言われることは、基本的にはないでしょう。

ただ、治療を続けていく中で、「HSP」の特徴だと思っていたはずが、実は「ASD」などの発達障害だったというパターンもあり得ます。「ASD」や「HSP」は併発している可能性があるということも、頭に入れておいてくださいね。

 

 

発達障害グレーゾーンとの違い

「HSP」と発達障害のグレーゾーン(診断はつかないものの、著しく発達障害に近いような状態)との違いは何なのでしょうか?障害と一口に行っても、さまざまな症状があり、程度が軽い方からこだわりが強くて日常生活がままならない方まで千差万別です。また、程度が軽いと、余計に「HSP」との区別がつきにくくなってしまいます。そのため、専門家であっても、「HSP」の状態を「ASD」のグレーゾーンだと間違えることもあるようです。

ただ、これらの一番の違いは、「他人の辛い感情を自分のことのように捉えて、苦しくなるかどうか」という点です。「ASD」の傾向があるようなグレーゾーンの場合、こういったことは見られません。逆に、人の気持ちが読みにくかったり、顔の表情から察することが苦手であることが多いのです。しかし、「HSP」は敏感に相手の気持ちを察知します。こういったことが、発達障害の傾向があるかどうかを見極めるポイントになるでしょう。

 

 

【出典】
HSPと心療内科 府中こころ診療所
大人の発達障害 博愛病院
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)気質とは?~HSPはうつ病になりやすい!?~ 新宿ストレスクリニック
発達障害についてのまとめ こころとからだ横浜クリニック