ADHDと併発しやすい病気は?(うつ病、双極性障害、不安障害など)

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2021/2/16
2021/2/22

ADHDと併発しやすい病気は?(うつ病、双極性障害、不安障害など)

はじめに

ADHDとは注意欠如・多動性障害と呼ばれ、注意力や集中力などを長時間保つことが困難な発達障害です。ADHDは脳の機能不全や神経伝達物質の少なさが関係していると考えられていますが、未だはっきりとした原因は分かっていません。また、ADHDは単独で発症することもありますが、他にも併発しやすい病気があるとされています。この記事では、ADHDの人が併発しやすい病気について解説します。

 

うつ病

うつ病は、何かしらのストレスや脳の神経伝達物質の流れがスムーズに行われなくなったことから起こりうる病気です。症状としては、気分が落ち込んだり、やる気が起きなかったり、ゆううつな気分になるなどの心理的な問題が現れます。また、身体的にも、眠れない、頭痛やめまいがする、食欲の低下などの問題が生じます。

 

双極性障害(躁うつ病)

双極性障害は、上記でお伝えしたうつ病の症状の他に、気分の高揚や行動過多などの躁状態が現れます。つまり、うつ状態と躁状態を繰り返しながら生活を送ることになるのです。こちらは、遺伝的要素や脳の神経伝達物質が上手く働かないことが原因だと言われています。ただ、はっきりとした原因は解明されていません。

 

社交不安障害

社交不安障害は、神経症圏の精神疾患です。他人との関わりが苦手で、人前に出ると過度に緊張したり、大量の汗をかき、話すことさえ困難になるという症状を示します。過去の生育環境や脳の神経伝達物質が正常に働かないことなどが発症の原因とされています。しかし、はっきりとした原因は未だ分かっていません。

 

パーソナリティー障害

パーソナリティー障害とは、世間のモラルやルールなどから著しく逸脱しており、人格特性に偏りが目立つ障害です。パーソナリティー障害は、アメリカ精神医学会の基準によると10つに分類され、それぞれの種類によって症状が異なります。パーソナリティー障害の原因は、未だはっきりと解明されてはいません。しかし、神経伝達物質の機能低下や養育環境が影響しているのではないかと考えられています。

 

併発しない為の予防策と併発したときの対処法

ADHDと併発しやすい病気は?(うつ病、双極性障害、不安障害など)

上記に挙げた病気が併発しないためには、予防のための生活を日頃から送ることが大切です。ADHDもそうですが、併発しやすい病気の原因や誘発要因には、脳内の神経伝達物質の機能が上手く働かないことやストレスなどが挙げられます。これらを可能な限り抑制するには、以下のような予防策が必要です。

1.太陽の光を浴びることを心がける

併発しやすい病気のほとんどが、神経伝達物質であるセロトニンの低下に問題があると言われています。セロトニンは太陽の光を浴びると活性化することが分かっています。セロトニンのバランスが崩れないためにも、朝起きたら日光に当たることを習慣としましょう。ただ、躁状態のときは光を浴びることで症状が強くなると考えられていますので、サングラスを着用するなどして、光をコントロールすることも大切です。

2.日常に運動を取り入れる

精神疾患の予防には、運動が非常に有効です。運動をすることで、脳内のストレスが軽減し、不安な気持ちに陥りにくくなると言われています。また、運動を行っている際にはストレスを解消するホルモンも分泌されます。このホルモンの正体は、心の安定化を導くセロトニンなどの神経伝達物質です。つまり、運動を日々のルーティーンにすることで、セロトニンなどが定期的に分泌されるようになり、健康な心を作りやすくなります。

3.バランスの良い食事を取る

食事には、さまざまな栄養素が含まれています。特に、エネルギー源となるたんぱく質やセロトニンを始めとする神経伝達物質の合成に必要な葉酸などを食べることが、効果的です。また、出来る限り1日3回の食事を取ることを心がけ、頻繁に間食をしたり、夜食を食べたりすることは控えましょう。

 

ところが、どんなに予防に気を付けていても、病気が併発してしまうこともあります。しかし、以下のような適切な治療をすることで、病気が回復することが可能です。

1.薬物療法

うつ病や双極性障害を始めとする併発しやすい病気は、神経伝達物質の働きが低下することで生じがちです。日常生活で気を配っていても、神経伝達物質を上手くコントロールするのはなかなか難しいことでしょう。そのときは、医師に相談して適切な薬を処方してもらうことが大切です。主に使用される薬としては、抗うつ薬や抗不安薬、気分安定薬などが用いられます。

2.カウンセリングや訓練

精神疾患は薬物療法だけで改善することもありますが、本人の考え方や捉え方に問題があることもめずらしくありません。そのため、個人が持っている誤った認知を修正し、より良い考え方や行動に修正していく必要性が生じるときもあります。このようなカウンセリングや訓練を医師や専門スタッフとともに行い、本人が自分自身をしっかりと見つめ、自己肯定感を持つことができるようにサポートを受けることが重要です。

 

ASDやSLDとの合併も少なくない

ADHDは、精神疾患のみと併発するわけではなく、ASD(自閉症スペクトラム障害)やSLD(限局性学習障害)との合併が見られることもあります。ASDもSLDも同じ発達障害で、ASDは主にコミュニケーションや社会性に関する問題を持ち、SLDは読む・書く・計算するなどの学習面の障害を抱えます。

それぞれの発達障害は少なからず特徴が違いますが、重なる面も多いものです。ADHDの方は、その点も理解したうえで、自分の障害の特徴以外に気になる問題が生じた場合は、合併の可能性も考えて、まずは主治医に相談してみましょう。

 

【出典】

双極性障害(躁うつ病)たわらクリニック
食生活、乱れていませんか?うつ病と食事の関係性を解説! たわらクリニック
神経症について 杉浦こころのクリニック
気分安定薬の分類とその特徴について 杉浦こころのクリニック
パーソナリティー障害 厚生労働省
適切な治療で新しい一歩を 社交不安障害 監修・昭和大学名誉教授 上島国利
早起きと健康の関係 パークサイド日比谷クリニック
運動がメンタルヘルスに与える影響 医療法人社団平成医会