精神障害の方が復帰に向けてカウンセリングを受ける際の準備とは?

リハビリ中の方
カウンセリング
精神障害
2021/8/18
2021/8/16

普段、悩みごとや困りごとがあった時にどのように対処していますか?
専門知識やスキルを持ったカウンセラーとの対話によって悩みや困りごとの解決を目指していくものがカウンセリングです。
対話をしながら、悩みや辛さの原因を紐解いたり、解決方法を一緒に探したり、気持ちを整理したりして、心を楽にしていくことを目的とします。

カウンセリングの特徴は「心に焦点を当てる時間」ということです。
病院に通院している場合は医療、就労支援機関を利用している場合は働くことのサポートが得られますが、なかなかゆっくり自分の心に向き合うほど話す時間を確保するのは難しいことが多いでしょう。
近年はオンラインカウンセリングも登場して、利用の敷居も低くなっていますので、1つの頼れる資源としてみていきましょう。

 

 

カウンセリングを受ける施設を探す

カウンセリングは、心が辛くなったときに頼る、またはメンテナンスとして話を聞いてもらう、どちらの利用の仕方もできます。

また、何について相談したいのか、という内容によって頼り先も変わってくるでしょう。どのような利用の仕方ができるのか解説します。

 

①医療機関

かかりつけの精神科や心療内科がある場合、そこに在籍している臨床心理士や公認心理師などのカウンセラーに相談ができる場合があります。
治療でカウンセリングが必要な場合は、医師の指示のもと相談ができる場合もありますが、 こちらはあくまでも治療の一環としてということになるので保険が適用できるか否かは主治医の判断や医療機関によって異なります。
自己負担によってカウンセリングを受け付けていることもあり、その場合は相談をして予約をすれば利用できることが多いでしょう。
主に、病気が障害にかかわることの精神療法、心理療法を利用できます。

②カウンセリングルーム

臨床心理士や公認心理師などの専門職が個人で、またはグループで立ち上げられているカウンセリングルームです。
認知行動療法に特化している、PTSDのケアができる、幅広い精神疾患のある方を対象にしているなどカウンセリグルームによって特徴がさまざまです。対面で行う場合と、オンラインカウンセリングを提供している場合もあります。
主に、病気や障害にかかわることの心理療法を受けたり、不安について相談できます。

③オンラインカウンセリング

新型コロナウイルスの流行によって急速に普及しているのがオンラインカウンセリングです。基本的にはZOOMやskypeといったオンラインコミュニケーションツールを使って行います。
オンラインカウンセリングでは物理的距離があり危機的介入ができないので、医療機関に定期的に通院している場合は、利用に主治医の許可が必要な場合があります。

オンラインカウンセリングを提供しているプラットフォームがいくつかありますが、臨床心理士・公認心理師・精神保健福祉士・キャリアコンサルタントなどの国家資格保持者が登録している場合が多いです。相談内容に応じて相談するカウンセラーを選びましょう。
相談内容は幅広く可能で、漠然とした不安から働き方、人間関係、今後の人生のことなど、医療に頼るほどではないけど話したい、という場合に利用できます。

cotreehttps://cotree.jp/
うららか相談室https://www.uraraka-soudan.com/
かもみーるhttps://chamomile.jp/

④職場の相談室

所属している企業に、企業内の相談室が設置されている場合があります。働き方や働く中での悩みなど、職場の事情がよく分かっている人に相談したい場合は利用するとよいでしょう。
職場の中での具体的な工夫や、使える制度などを教えてもらえることもあります。
休職している場合や、復帰後にも利用可能なことが多いでしょう。

⑤電話相談

働く中での相談を無料で利用できる電話相談があります。

・勤労者心の電話相談(無料)
同じく、独立行政法人労働者健康福祉機構が運営する労災病院に開設されています。https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/03_0062.pdf

・働く人の悩みホットライン
(社)日本産業カウンセラー協会が運営する無料電話相談です。
https://www.counselor.or.jp/consultation/tabid/298/Default.aspx

 

 

カウンセリング日時の予約

①②の対面やZOOMなどオンラインでの相談の場合は基本的に予約が必要です。
医療機関、カウンセリングルームなどは受診時や電話などで空き時間を確認し、前もって予約しておきます。

③オンラインカウンセリングでは、ネット上でカウンセラーの空き時間を確認し、空いているカウンセラーがいればすぐに予約できる場合があります。今辛いので近いうちに話を聞いてほしい、という時に利用しやすいでしょう。

④職場の相談室の場合は、社内のルールに沿って利用申し込みの上利用します。

⑤電話相談に関しては基本的に予約は必要ありません。受付時間が決まっていますので、曜日と時間をご確認の上利用してください。

 

 

カウンセリング前に準備しておくとよい事は?

カウンセリングは、カウンセラーがクライエントを癒やすというものではなく、クライエント自身が主体的に自分の心の問題について取り組み、それをサポートしていくものです。
風邪薬を服用するだけで症状が軽くなる、というものではなく、自分自身が向き合っていくという心の準備が必要です。

相談内容については、自分で簡単にでもまとめておくことが大切です。何を相談したいのか、辛い状況に至るまでどんなことがあったのか、などを必要であればメモを準備しておくとよいでしょう。緊張してうまく話せない、何を話したらいいのか分からなくなったという時に役立ちます。

オンラインカウンセリングでは、ZOOMやskypeの利用に慣れない場合、システムに入るのに手間取ってしまう可能性もあるため、ネットワークが正常に繋がっているかの確認は事前にしておくとよいでしょう。

 

 

カウンセリング当日に持参する物

医療機関を受診する場合は念のため保険証とお薬手帳は持参しましょう。
前日の相談内容のメモも持っていくとよいでしょう。その場で料金を支払う場合はカウンセリング料も持参します。

オンラインカウンセリング、電話相談の場合は私用するパソコンやスマートフォン、携帯電話の充電をしておき、念のために充電器も用意しておくと安心でしょう。

 

 

カウンセリングの流れ

カウンセリングでは、基本的にカウンセラーからの問いかけや質問からスタートすることが多いです。
どのようなご相談ですか?という趣旨のことを聞かれることが多いと思いますので、最初に自分で簡単に説明できるようにしておきましょう。上手に言えなくても、必要なことがあればカウンセラーがさらに質問してくれますので流れはある程度任せながら考えながら答えていけば大丈夫です。

オンラインカウンセリングの場合は事前にインターネットで料金の決済をすることが多いですが、対面でのカウンセリングの場合はカウンセリングを受けた後に支払いをすることもあるでしょう。

 

 

まとめ

カウンセリングと一言で言っても、治療にかかわるものから、働くことを考えた上での具体的な相談、なんとなくもやもやと抱えていることの解決など相談内容も様々で、それによって選ぶカウンセリングのサービスも異なってきます。

話したいな、と思ったときにサービスをいくつか試してみて、自分に合うものを継続していく方法もおすすめです。実際に復帰した際に頼れるサービスを増やしておける、という意味でも有効ですので、気になったら自分に合うサービスやカウンセラーを見つけてみてください。