精神障害を持つ方に向いている職場環境とは?

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職場
2021/10/18
2021/10/15

精神障害を持つ方に向いている職場環境とは?

健康的に働き続けるためには、自分に合った職場環境で働けることが大切です。

自分に合った職場環境とはどのようなものでしょうか?

職場環境とは、オフィスや外勤といった物理的な環境のことだけを指すのではなく、一緒に働く職場の同僚や、雰囲気、勤務先の就業規則など、自身を取り巻く外的なもの全てを指します。

職場環境については、多くは就職・転職活動時に情報収集をして、採用面接や職場見学、職場実習などで確認をします。

どのようなポイントで職場環境が自分に合うかどうかを判断すればいいのでしょうか?
例を見てみましょう。

 

精神障害を持つ方におススメの職場選びのポイント

精神障害を持つ方に向いている職場環境とは?

物理的な環境

自宅からの通勤距離や立地、実際に働くオフィスや持ち場の環境のことです。

まず、自宅から職場へ通勤する場合、負担にならない程度の通勤時間で通える職場を選ぶことは、体調管理の側面からも大切です。人によって異なりますが、自宅から近づぎると仕事とプライベートのON/OFFの切り替えが上手にできない場合はありますし、逆に遠すぎると朝早く起きて家を出ねばならず、負担になる場合もあります。

電車で通勤する場合は、職場の立地も大切です。
上り電車での通勤になる場合は、どうしても朝の電車は通勤ラッシュで混雑しがちです。逆に下り電車であれば比較的空いている電車で通勤できる可能性があります。乗り物が苦手、人が多いところが苦手という場合は、よく調べておきましょう。

実際に自分が働くオフィスやデスクまわりの環境も大切です。

休憩スペースやトイレの環境などによってリフレッシュのしやすさが違いますし、ご自身のロッカーやデスクがある場合は、いざという時に使える薬や安心できるものを置いておくこともできます。

 

一緒に働く人とのコミュニケーションの取りやすさ

一緒に働く人との関係をどう持てるか、も重要な環境のひとつです。

まず、会社の文化・雰囲気はどうでしょうか。
その企業の理念・ビジョンや働いている人たちの人柄によって会社の雰囲気も作られます。その雰囲気に自分が馴染むかで居心地の良さも変わります。

同じ部署で一緒に仕事を行う人たちとの関係性も大切です。分からないことがあったときにすぐに質問できる位置に頼れる人がいるのかどうか、日々の業務や調子について共有できる上司やメンター社員がいるのかどうかは、特に大きな影響があるでしょう。

もしも人間関係や仕事の仕方で問題があった場合に、社内に相談できる人がいるのかも大切です。社内に産業医やカウンセラーなどに対応してもらえる相談窓口があれば、身近な同僚に話しにくいことも相談できます。

 

どのような働き方ができるか(就業規則)

柔軟な働き方ができるような整備がされているかも確認しましょう。

多くの企業がフレックスタイム制やテレワークを導入し始めています。時短勤務制度や評価制度、昇給の有無、雇用形態の変更などに就いてもルールを確認しておけば、体調の変化や今後のキャリアを考える際の参考になります。

精神障害のある方は、体調の波が出やすく、柔軟な働き方ができる企業であればバランスをとりながら継続して働きやすいといえるでしょう。

 

再就職後、長く仕事を続けるために

長く働き続けるためには、職場環境が自分に合っていることはとても重要なポイントですが、同じくらい体調コントロールやメンテナンスが大切です。

仕事だからと頑張って無理したり、調子がいいからと気を抜いてしまうと、バランスは崩れやすくなります。

特に体調不良による休職や離職の後で復職する場合は、それ以前と同じ働き方や考え方では負荷が強い場合があるでしょう。また新しく自分の働き方を作っていくつもりで、ご自身をケアしながら過ごすようにしてください。

 

定期的な通院・カウンセリング

精神障害を持つ方に向いている職場環境とは?

仕事が始まると忙しくなりますが、定期的な通院は欠かさないようにしましょう。主治医やカウンセラーと定期的に話すことは、メンテナンスになりますし、体調の変化があった場合にも対処がしやすくなります。

もし、通院先でリワークプログラムなどを受けていた場合は、リワークの卒業生が参加できる座談会が開催されている場合もあります。同じような立場の人と交流することによって、他の人の考えが参考になったり、安心感が得られる場合もあるでしょう。

就労移行支援や、障害者就業・生活支援センターを利用してる場合は、定着支援を受けたりジョブコーチに介入してもらえる場合もあります。ぜひ活用していきましょう。

 

生活リズムを崩さない

精神障害を持つ方に向いている職場環境とは?

体調管理には、生活リズムを崩さないことがとても大切です。就寝時間や起床時間を休日も含めできるだけずらさないようにすることで、十分な睡眠をとることができ、日中のパフォーマンスも安定させることができるでしょう。

食事や運動に関してもバランスよく取り入れることが心身の健康に繋がります。栄養バランスのとれた食事を心がけ、運動も散歩など取り入れやすいものを日々の習慣にしていきましょう。

3食ともバランスのとれた食事をとなると辛くなる場合もあると思いますので、朝パンだけだったら夜は野菜もたくさん食べるなど、帳尻合わせをするやり方であれば続けやすくなります。

 

上手にリフレッシュする

復職や転職してすぐは、緊張感もありますし、新いことを覚えなければならない業務もあってつい、夜や休みの日も仕事のことを考えてしまう場合があります。

しかし、ON/OFFは切り替えてしっかり休んだ方が、結果的に良い働き方にも繋がります。
頭の中でどうしても考えてしまうようであれば、少し寄り道をして本屋に寄る、とか、好きな歌手の音楽を聴くなどして切り替えるのがおすすめです。

また、ぐるぐる考えてしまうことを、いったん箱の中に「置く」イメージを持って、ふたをしてしまい、仕事の朝までは考えない、というイメージも効果的でしょう。

リフレッシュも、好きなことをして気分を変えたり、よく寝て身体を休めたり、適度に運動してすっきりしたりと、いろいろな方法があります。いくつか自分に合うリフレッシュ法を持てていれば、その時に合う方法を用いることができます。

やってみないとどれが自分に合うか分からないものでもあるので、余裕のある際に試して自分の引き出しを増やしましょう。

 

まとめ

職場環境は、自分自身では工夫できないこともあります。職場を選ぶ段階でできるだけ情報収集はしながらも、実際に働き始めてからは、今ある環境の中でどう工夫をすればより働きやすくなるか考えることが自分を助けます。

セルフケアをするだけではなく、外部の就労支援機関を頼って働き方や働く環境の工夫を一緒にしてもらう方法もあります。

なかなか100%自分に合った環境で働くことは難しいですが、自分にできないことは他者に頼ることで、柔軟に自分の考え方や対応も変えながら工夫してみてください。