【ブルーマンデー症候群】つらい月曜を乗り切る為にすべきこととは?

復職後にお悩みの方
ブルーマンデー
2021/3/11
2021/4/21

はじめに

みなさんは平日の疲れやストレスをどのようにして回復・解消していますか。
疲れが取れず、週明けの月曜日、気分の落ち込みがひどく、出社するのが辛いという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。本記事では、月曜日に気分が落ち込む理由、その対策をお伝えしていきます。

 

ブルーマンデー症候群とは?

1週間働き続け、楽しい週末を迎えたと思いきや、あっという間に日曜日の夕方になり、また1週間が始まると考えると憂鬱になる経験は誰でもしていると思います。
このように気分が落ち込んだり、体が動かなかったり、出社できない状態で月曜日を迎えることをブルーマンデー症候群といいます。
月曜日出社拒否症”と日本語では訳されます。

 

看過できないブルーマンデー

ブルーマンデー症候群は、「月曜日は少し気分が下がるだけ」と侮ることはできません。
JeremyBooは、日本国内の41年間(1974年~2014年)の自殺者約90万人の死亡時刻データを調べ、中高年男性(40~65歳)の自殺が月曜日の朝(4:00~7:59)に集中していることが明らかになっています。
土曜日と自殺で亡くなる頻度を比較すると、月曜日の自殺者数は、土曜日の1.55倍となっています。また、時間帯の比較では、夜遅く(20:00~23:59)と比較すると、朝(4:00~7:59)自殺で亡くなる頻度は1.57倍であることが明らかになっています。
土曜日に比べ、月曜日に自殺をしている人は1,5倍を超えるのです。
月曜日は少し気分が下がるだけ」と楽観視するのは大変危険なことがわかります。

 

ブルーマンデー症候群の要因

ブルーマンデー症候群の要因としては、金曜日の過ごし方が重要なポイントといわれています。土曜日でも日曜日でもなく、“金曜日”なのです。

“1週間働いて疲れ切った金曜日の夜は、「待ちに待った2連休。今日はぱあっと遊んでも飲もう。」という開放的な心理が働きます。結果、1週間の疲れが溜まった体で夜中まで飲み歩いたり、遊んだりして終電で帰宅、休日はまだ日曜日があるので、土曜日は昼まで寝ています。
そして昼まで寝ていた土曜日の夜は、もちろん平日と同じ時間に寝られるわけはなく、夜更かしをして、日曜の昼間に目を覚まします。しかし、翌日月曜日はいつも通り7時に起きなければなりません。
起き抜けの気分は最悪です。それでも仕事にはいかなければ…。”睡眠リズムが不安定で、気分が憂鬱。これがブルーマンデー症候群の典型例と言えます。

この状態では当然、仕事についていくことができず、心身が疲れている状態で1週間がスタートしてしまいます。こうした状況で仕事の効率性や生産性を上げようとすると無理をしてしまいます。無理を繰り返すうちにメンタルダウンを引き起こしやすい土壌を自分で作ってしまっているのです。

このような、平日と休日の就寝・起床のずれをソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)と呼びます。2006年にドイツの時間生物学者Till Roenneberg教授が提唱した概念です。
休日2日間の朝寝坊で体内時計は30~45分遅れてしまうことが明らかになっています。
また、カルフォルニア大学バークレー校教授のMatthew Walkerは、著書「睡眠こそ最強の解決策である」(2019)で、この体内時計のずれを戻すには一日あたり1時間しか修正できないと記されています。
睡眠リズムの固定化はメンタルダウンを防ぐ上でも非常に重要といえるのです。

 

ブルーマンデーの予防方法とは?

では、この辛い月曜日をどのようにしたら防ぐことができるのでしょうか。
ポイントは、金曜日の過ごし方にあります。それは、至ってシンプルです。いつも通りの睡眠をとることです。5日間も頑張って仕事をしてくれた心身を休めるために、いつも通りに睡眠をとりましょう。これが最も効果的と言われています。

しかながら、この記事を読んでいる方の中には、平日の睡眠負債を返したい方もいるでしょう。その方には以下の方法をお勧めしたいと思います。
その方法は、いつもより1時間早く寝て、1時間遅く起きることです。これにより、いつもより2時間睡眠時間は長くなりますが、睡眠中央値は変化せず、体内時計がずれることはありません。とは言っても、就寝時間、起床時間をちょっとずつずらしていくことは難しい方も多いと思います。
そのような方は、まずは起床時間の固定化から行うことをお勧めします。人は起床し、太陽光を浴びてから15時間前後に睡眠に強い影響を与えるホルモン『メラトニン』が出てきます。
例えば、夜更かしをした休日では、起床時間が昼の12時を回っています。この時、日中の活動時間が少なくなるだけでなく、眠りを誘うメラトニンの分泌が夜中の3時ころとなります。一方、生活リズムを崩さずに過ごした休日では、日中の活動時間が増えるだけでなく、メラトニンが分泌される時間が23時となります。
このように、夜更かしが睡眠リズムに影響を与えていることがわかります。

それでも金曜の夜遊ばずにいつ遊ぶのかと思う方も入りかもしれません。
しかし、金曜日にいつも通りに寝て、土曜日の8~9時に起きると、日中の時間が長くなり、結果として、活動時間自体は夜更かしして昼まで寝ているときよりも多くなります。金曜日にしっかりと就寝することで、活動時間が長いうえに、メンタルダウンを予防できることを考えると、夜更かしのデメリットがいかに大きいかわかるでしょう。明るいうちに活動をして、夜はしっかりと眠ることが私たちの本来の健康的な生活だと言えます。

 

まとめ

今回は、ブルーマンデー症候群と、それに関連してソーシャルジェットラグについてお話ししました。
ブルーマンデー症候群は、名前の印象やイメージだけだと、月曜日はなんだか辛いで済まされてしまうこともあるかと思います。

研究結果にもあるように、実際に自殺率の高さも明らかになっており、看過できる問題ではありません。しかし、必要以上に悲観的にとらえる必要はありません。上述したように、きちんとした予防をし、分析・対策を取っていくことで十分対処をすることが可能となります。

金曜日の過ごし方を一つ変えることで、土日の活動できる時間が増え、やりたいことを行えるだけでなく、月曜日からスムーズに1週間を始めることができます。

たった1日の生活リズムの崩れを戻すために数日間を使うのではなく、普段からリズムを固定化することで、1週間の疲労度が変わってくるかもしれません。