メンタルヘルスとは?どんな種類があるのか

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適応障害
2021/2/17
2021/2/22

メンタルヘルスとは?どんな種類があるのか

はじめに

メンタルヘルスとは、メンタル(心)のヘルス(健康)を意味する言葉です。メンタルヘルスという言葉自体が何か具体的な病名を表しているわけではなく、たくさんある精神疾患の総称です。
厚生労働省はメンタルヘルスに関連する「こころの病気」について、15の病名を定めており、それぞれの特徴や傾向などが定義されています。これはつまり、少なくともメンタルヘルスに関連する病気には15の種類があることを表しています。それぞれどんな特徴があるのかについては後述しますが、これらの病気はすべて精神(心)で起きるものであり、そこから体調の不良など身体的な症状が表れるのが大きな特徴です。メンタルヘルスとは何か、それぞれの病気にはどんな特徴があるのかについては、以下の解説をお読みになったうえで理解を深めていただければと思います。

 

メンタルヘルスとは?

メンタルヘルスとは?どんな種類があるのか

トップアスリートのパフォーマンスを左右する要素として「メンタル」が注目されるようになって久しいですが、これは心の状態やモチベーションの高め方など、精神的な要因によって本来の実力を出せたり、出せなかったりといった強い影響を受けることが分かっているからです。
これはトップアスリートが本来の実力を出すためのものですが、メンタルヘルスは心の健康にかかわる問題であり、心の健康を害してしまうと日常生活に支障をきたすこともあります。
メンタルヘルスが他の病気と大きく異なるのは、臓器や部位などに異常が起きて病気の原因を特定できる他の疾患と違って、ほぼすべてが脳内で起きていることです。しかも脳に物理的な変化や損傷が起きているわけではなく、脳が作り出す精神世界に異常が起きるため、外見上は病気であることがわかりにくいことも多々あります。それだけに外見や検査数値などで病名を断定したりすることは困難で、メンタルヘルスにはメンタルヘルス特有の診断方法や病気の特定方法があります。

 

厚生労働省が定めるメンタルヘルスに関する15種の病名

厚生労働省が定めているメンタルヘルスに関連する15の病名は、以下のとおりです。これらは厚生労働省が定めているということで、国が認識している病名の一覧と考えて良いでしょう。それぞれの特徴などについてワンポイントの解説をしていきたいと思います。

依存症

アルコール依存症が有名ですが、それ以外にもギャンブル依存症や薬物依存症なども、すべて依存症に分類されます。やめなければいけないと分かっていてもやめられず、どんどん深みにはまってしまうのも心の病気が原因です。

 

うつ病

メンタルヘルスと聞いて、おそらく多くの方が想像する病気です。気分が晴れない、眠れない、食欲がないといったように落ち込んだ状態になるのが主な症状です。脳の働きに異常が起きることにより、物事に対する見方が否定的になり、自己否定をしてしまうことで自殺につながる危険性もあります。

 

解離性障害

自分が自分であるという感覚を喪失することから、自分から心から解離してしまう病気です。多重人格障害も解離性障害の一種ですが、これも自分の中の人格が統一できていない状態です。特定の出来事に関する記憶だけがすっぽりと抜け落ちていたりといった症状も見られます。

 

強迫性障害

本来であれば気にする必要がないような些細なことで、それが些細なことであると自分ではわかっているのに気になってしまい、それが頭から離れないことで日常生活にも影響が出てしまうのが強迫性障害です。何度も戸締りを確認してしまったり、もう充分清潔なのに何度も手を洗ってしまうなどの症状があります。

 

睡眠障害

心身が睡眠を必要としているのに眠れない、十分な睡眠時間をとれないといった障害を睡眠障害といいます。不眠症が有名ですが、不眠症だけではなく睡眠障害にはさまざまな種類や症状があります。夜に眠れないために昼間に強い睡魔が襲ってくるといった症状も、睡眠障害の一種です。

 

摂食障害

適度な食事を摂ることができず、極端に食べ過ぎてしまったり、逆にほとんど食べられなくなってしまうことを総称して、摂食障害といいます。極端に食べ過ぎてしまうのは過食症といって、食べ過ぎて吐いてしまうのにまた食べてしまうといった症状があり、逆に拒食症の場合は食事量や回数が極端に減ってしまい、体重が極端に減ってしまうなどの弊害があります。

 

双極性障害(躁うつ病)

かつて「躁うつ病」と呼ばれることが多かったのが、双極性障害です。躁というのはいわゆるハイテンションな状態のことで、極端に活発になる時と、その逆にうつ状態になることを繰り返すのが典型的な症状です。躁状態は活動的になりますが、必ずしもプラスに働くとは限らず、気が大きくなってしまって散財をしてしまうなどのリスクがあります。

 

適応障害

普段はほとんど症状がないものの、起きた出来事によってストレスに耐えられなくなりうつ状態を発症したりするのが適応障害です。過剰に不安になったり敏感になるなどの症状もあるため、それが社会生活に影響を及ぼすことがあります。

 

統合失調症

精神状態がまとまりを失ってしまい、心身に影響が出る病気です。健康時にはなかった症状が出る陽性症状と、逆に健康時にあったものが失われてしまう陰性症状の2つが主な症状です。陽性症状では幻覚や妄想が起きやすくなり、逆に陰性症状では無気力や感情表現の喪失などが起きます。

 

認知症

アルツハイマー型認知症と血管性認知症に大きく分類され、いずれも発症すると記憶や思考の能力が低下します。アルツハイマー型認知症は女性に多く、そして血管性認知症は男性に発症しやすい傾向が見られます。高齢になると発症することが多いため、初期段階の症状が見られたら早期に治療をすることが重要です。

 

パーソナリティー障害

多くの人が感じる標準的な感覚や反応とは異なる反応や行動をするのが、パーソナリティー障害の主な症状です。パーソナリティー障害はあまり単独で問題化することは少なく、この病気から他の精神疾患を引き起こすことが多いのも特徴です。パーソナリティー障害に思い悩んでいることからうつ病などを発症するパターンが多く見られます。

 

発達障害

先天的な理由から、脳の発達が他の人と異なることによって症状が表れるのが発達障害です。他の人が難なくできることであってもそれが不得手になるなど、本人は生きていくことに困難を感じる傾向があります。

 

パニック障害・不安障害

特に何かきっかけがあるわけでもないのに、突然動悸が激しくなったりめまい、吐き気、震えなどが起きるのが特徴です。この他にも大量の汗や窒息感などが症状となって表れる人もいます。発作が起きると自分でコントロールできなくなることがあるため、このリスクを知っておく必要があります。

 

PTSD

PTSDとは「Post Traumatic Stress Disorder」の略で、日本語では心的外傷後ストレス障害と訳されています。過去にあったショックな経験やストレスがそのまま心の中に残ってしまい、それに対する恐怖心によって悩まされる病気です。

 

てんかん

突然意識を失って反応がなくなる「てんかん発作」が有名な病気です。てんかんは脳内の異常な電気活動によって起きるとされており、症状は一過性です。発作が終わると何事もなかったように生活ができますが、その発作がいつ起きるかはわからないので注意が必要です。

 

まとめ

厚生労働省が定めている15の精神疾患について解説しました。すべて脳が引き起こす心の病気ですが、その症状やメカニズムはさまざまです。「心の病気」とひとくくりにするのではなく、具体的な症状をしっかりと踏まえたうえで判断をすることが大切です。